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石原絵梨
『TENARAI』シリーズ
(2021年)
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『TENARAI #1(万葉仮名)』(2021年)
木材にインクジェットプリント
1,820×90mm(2点)
『TENARAI #2(草書体)』(2021年)
和紙にインクジェットプリント
1,030×728mm(6点)
『TENARAI #3(連綿体)』(2021年)
PET、テグス
9点1組、サイズ可変
『TENARAI』について
「手習い(てならい)」とは、毛筆で仮名や漢字を書く練習をすること。「手」とは手跡、すなわち筆跡のことである。
私は書家である母を持ち、幼い頃から母より文字を習っていました。プロのグラフィックデザイナーになり文字を扱って10年、母の字を再度手習いし、自身に還元しようと今回のプロジェクト『TENARAI』を始めました。
出品作品は、以下の2首の和歌をモチーフにしています。
「あさかやま かげさへみゆる やまのいの あさきこころを わがおもはなくに」
「なにはづに さくやこのはな ふゆごもり いまははるべと さくやこのはな」
この2首は『古今和歌集』の仮名序に「てならふ人のはじめにもしける」ものとしてあげられている和歌で、平安時代の子供が仮名を書くための手本として広く用いられた和歌になります。
仮名文字を専門とする母が書いた2首の文字を手習うことは、自分の理想とする文字を習う行為そのものであり、自身のルーツを探ることだと考えています。
この一連の制作を通して、母の筆跡を辿りながら文字への様々なアプローチを試みました。
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