​中野由紀子

『近い人』シリーズ

『目のあわない自画像』シリーズ

(2021年)

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『近い人(海と建物)』(2021年)

『近い人(ベランダとタオル)』(2021年)

『近い人(公園と花火)』(2021年)

キャンバス・油彩 各1,940×1,620mm

 

『目のあわない自画像(春、23時前)』(2021年)

『目のあわない自画像(春、22時すぎ)』(2021年)

『目のあわない自画像(初夏、時間不明)』(2021年)

キャンバス・油彩 各652×803mm

ある時期から、スマホのカメラロールがほとんどビデオ通話のスクリーンショットだらけになりました。

画像のすみの小さな四角にぼけーっとした自分の顔が写っているのを見ると、初めて録音された自分の声を聞いたような妙な気分がして、ふと「あれ、なんか変なの」と鈍く感じました。「今までってどんなだっけ」と。

いつもは生活の中の気になる風景、夢で見た気になる風景を自分の記憶を辿りながら「記憶」とか「夢」とか曖昧なものを扱って絵を描いています。そこには人が登場することはありませんでした。たぶん接客業のバイトを始めたからとかそんな理由で、いつからか描かなくなった人の絵。

一年半くらい似たような状況が続くと、少しずつ風通しのいいとこで会おうかという話になったりして、ぽつぽつと画面上じゃなく会うことも増えてきました。

冬の海、春先のベランダ、夏の公園。親しい人たちのいる風景。そのちょっと前のビデオ通話の中の自分の姿。

オンラインで展示の打ち合わせをしながら、ぎこちなく、たどたどしくでもいいから、自分や誰かのいる風景を描きたいと思いました。